てかてんの書斎

書斎は「学んだり、考えたり、静かに読書したりする場所」だと思います。ここでは、自分の書斎かのように「学んだり、考えたり、書籍について考察したり」する場所です。明日をもっと素敵な一日にするための、考え方・習慣・仕組みについてもお話していきます。

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「3日間の幸福」を読んで、「人生と時間」について考えてみた

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【 年間120冊読書計画 40冊目】
 
 

「3日間の幸福
 
 
 三秋 縋 著作 読了。
 
 
 
三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
 
 
 
 
 
● 三秋 縋さんの他の作品に関する書評はこちらからお読みいただけます。
 
『スターティング・オーヴァー』
 
 

 

tekaten.hatenablog.jp

 

 
 
 
タイトルを見て、「あ、これ読みたいな」と感じた「3日間の幸福」。
 
 
主人公にとって、かけがえのない「3日間」を演出する為に、どんな設定と展開が描かれているのか気になって、すぐに購入して読みました。
 
 
 
原題が、
 
 
 
「寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。」
 
 
 
というもので、こちらにも興味を惹かれました。
 
寿命を売る? しかも一年がたったの一万円!? それで売るヤツなんているのかよ。
 
これが素直な感想ではないでしょうか。
 
 
 
 
「3日間の幸福」の設定は以下のようなものです。
 
 
 
 
・ 寿命を「その人の人生の充実度、人格など」から金額に換算し、買い取ってくれる場所がある
 
・ 寿命を売ると、とんでもない行動に出る人がいるので「監視員」が付くようになる
 
・ 「監視員」は他の人には知覚できない(見えない、触れない)
 
 
 
 
この設定の下で、主人公「クスノキ」は寿命を売って、その後の人生を生きていくことになります。
 
少し、ストーリーをのぞいてみましょう。
 
 
 
 
 
 
■■
 
 
ある時、本とCDを売りに出た「クスノキ」は、買い取りを担当した店員に、
 
「寿命を買い取ってくれる場所があるんですよ」
 
と説明を受け、全く真に受けてはいなかったが、試しに寿命を売りに行ってみた。
 
 
指定された場所で、寿命の買い取りを担当してくれた女性に言われたのは、
 
「あなたの寿命は残り30年と少しで、30年分を30万円で買い取ります」
 
とのことだった。つまり、1年が1万円で売れるということだ。
 
 
自分の寿命は、平均的な生涯賃金を考えて数億円以上はあると考えていたクスノキは、驚きこそしたが、その審査基準が「幸福度、社会貢献度などである」ということで、納得した上で寿命を売り払う。
 
それほどに、クスノキは自分の人生に価値があると思えなかったのだ。
 
 
 
残りの寿命が短くなった人は、往々にして極端な行動に出る傾向があるため、寿命が尽きる残りの3日間までの間は、監視員が付くことになった。
 
つまりその「3日間」こそが、タイトルにもなっている「3日間の幸福」を意味するのだと考えられる。
 
 
こうして、残りの人生が3カ月余りになったクスノキが、監視員の女性「ミヤギ」と共にどのような余生を送っていくのか・・・。
 
 
 
■■
 
 
 
 
 
 

■ 独特の世界観を描く 三秋さんの作品

 
 
 
前回、書評記事を書かせていただいた「スターティング・オーヴァー」に続いて、三秋さん2作目の作品が「3日間の幸福」です。
 
 
 
 
 
三秋 縋さんの「スターティング・オーヴァー」に感動して、2作目の「3日間の幸福」を連続で読み上げました。
 
両作共、独特な表現がなされていて、同じ作家さんの作品は、なんとなく作品全体の雰囲気が似るものだと感じました。
 
お金と人生を取り扱ったテーマで、一人の人間が限られた時間の中でどんな変化と価値を見出せるのかを、考えさせられる作品でした。
 
 
例えば、自分の寿命を売れるとしたら、1年あたりいくらだったら売るでしょうか。
 
平均的なサラリーマンが40年間働いて、2億から3億を稼ぐと考えると、1年あたり500万~750万という計算になります。
 
私はこの金額で、寿命を売る気にはなれません。
 
単純に500万~700万という金額は妥当だと思いますが、あくまで金額だけで見た場合です。
 
その1年1年には、旅行を楽しんだり、家族や友人と遊んだり、趣味に打ち込んだりする「時間」も考慮されるべきだと思いました。
 
他の事ができたかもしれない時間を売ってしまって、生涯賃金の1年あたりの金額しかもらえないのなら、寿命を売る価値はない、と思うわけですね。
 
 
 
また、残りの人生が3カ月となったとき、私は何をして過ごすのだろう?というのも考えさせられるテーマでした。
 
日常の生活では、残りの人生はまるで無限にあるかのように感じてしまいます。
 
これは誤った考え方だということがわかっていても、ついつい時間は有限だということを忘れてしまうのですね。
 
しかし、後3カ月しか生きられないとわかれば、時間を無限になんて考えることはできません。
 
残りわずかな人生の中で、何ができるか?何をしたいか?
 
そんなことを考えている時間すら惜しいと思います。
 
 
こうした時間の有限さに気が付くのが、「残り僅かな寿命を悟った時」だというのはもったいない。
 
今からでも遅くないので、いつか終わりが来てしまう人生に対して、「時間」を意識した生活を心がけなければ、気が付くと歳をとっているような状態になってしまう恐れがあります。
 
「人生と時間」というとても重要なテーマについて、今一度考えるきっかけになった素晴らしいエピソードです。
 
 
 
 
 
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