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【書評】「海色の壜」(田丸雅智)10ページ程の物語に

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 海色の壜

 「海色の壜」

田丸 雅智 著 読了。

 

どうも、てかてんです。

Twitterの読書アカウントをされている「海尾さん」からご紹介いただいた作品。

 ということで、ご縁をいただいた本なので早速購入して読んでみました。

 

1つの物語がわずか10ページ前後で描かれている「ショートショート作品」の海色の壜は、20編の物語が収録されています。

最近少しずつ短編集も読むようになりましたが、それでもやはり長編物を読む割合の方が圧倒的に多いんです。

だからこそ、ショートショートはちょっとしたチャレンジでした。

 

実際に読んでみると、とても短いストーリーなので「つかみは一瞬でグッと」持っていかれるような感じ

奇妙な設定であれ、ちょっと不思議な世界観であれ、すぐにその世界がイメージできます。

そこからわずか10ページ前後の中に、物語のピークや落ち、もっと読みたくなる余韻なんかを生み出しているんです。

短い物語だからこそ、不要なことを書く余裕はありませんし、逆に深みがあって面白いのではないか?

そんな風にさえ思えました。

なぜか、小説といえば長編だー!となかなか短編に手を出さなかった自分に少し反省です。。。

 

ということで今回は、ショートショートという新たなチャレンジになった「海色の壜」を書評していきます!

今回のトピックはこちら!

 

 「海色の壜」の魅力

 海色の便は、20編のショートショートストーリーで構成された短編小説です。

普段は書評を書くときに、なるべくネタバレを避ける形であらすじを記載するのですが、この本ではそれが難しい。

物語ひとつひとつがとても短いので、あらすじが内容になってしまうし、そもそもうまく言葉では説明できないおもしろさがあるんです。

書評でこういう書き方をするのはタブーかもしれませんが、

「この本のおもしろさは読んでみた方がわかりやすい」

と結論付けました!

・・・堂々と書いてしまいましたが(笑)

 

田丸さんの文章だからこそ伝わるおもしろさ、みたいなものが散りばめられているし、書評という形でリライトしてもおもしろさを伝える自信がない。

これこそ、海色の壜の持つ魅力なのではないかと感じています。

 

 

ショートショートだからこその物語

長編として書こうとすると、どうしてもキャラクターをより細かく設定しなければならなかったり、長い文章の中で伏線を張って回収するというステップを踏む必要があります。

もちろん、長い文章の中にいろいろな仕掛けを施したり、キャラクターや世界観に愛着が湧いたりと、長編小説ならではの楽しみ方があります。

 

てかてんはこれまで、小説とはそういうものだと思っていたんです。

けれど、「海色の壜」を読んで少しその気持ちが変わりました。

短編小説だからこその面白さ!というのがあることに気がついたんです!

 

特に、「海色の壜」はショートショートの作品なので、

・ 物語の設定やキャラクター像は一瞬で伝える(掴みの速さ)

・ わずか10ページ前後で冒頭・ピーク・まとめやオチがある(内容の密度)

・ 短い物語だからこそのスピード感がある(作品のテンポ)

・ 短い物語だからこそ書ける物語がある(面白さの凝縮)

こんな特色があると感じました。

 

長編小説だと、設定やキャラクター像、世界観をつかむまでに数十ページ読まなければなりません。

そこまで飽きずに読める内容の本は素晴らしいですが、読み進められない本も中にはあります。

飽きちゃって・・・。

しかし、ショートショートだと、1ページもしくは半ページくらいで掴まれてしまうものがたくさんあり、飽きる間もなく物語が終わってしまうスピード感があります。

わずか10ページ前後に起承転結がまとまっていることに驚くばかりです。

その少ないページ数に面白さを凝縮することで、くどくなく、ぶっ飛んだ設定でも書き上げることができるという利点もありそう。

 

長編小説ではなかなか無い設定や世界観が広がっていて、とても新鮮に読むことができました。

そして、お世辞ではなく本気で、20編全てが面白かった!

 

 終わりに

 

Twitterでご紹介いただいた本を書評するのは、実は初めてなんですが、

これこそ読書ブロガーの醍醐味じゃないか!と感じました。

共通した趣味である読書をシェアし、そのおもしろさを味わって、さらに他の人たちへバトンを繋ぐために書評を書く。

てかてんが目指す、読書の魅力を伝える活動にはぴったりだー!と、とても嬉しい気分です。

 

本日も、てかてんの書斎にお越しいただきありがとうございました!

海色の壜
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出版芸術社
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