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【書評】「容疑者Xの献身」(東野圭吾)天才と天才の戦い

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容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

容疑者Xの献身

東野 圭吾 著 読了。 

 

ガリレオシリーズ第3弾は、映画にもなった「容疑者Xの献身」です。

シリーズの中で一番この作品が好き!って人も多くいて、最高傑作の呼び声も高い。

天才湯川が苦悩するというシーンは、シリーズ内でも珍しく、湯川の人間性も垣間見えてファン要素が強いですね。

ガリレオシリーズを読むのなら、この容疑者Xの献身はぜひとも読んでほしい一冊。

 

過去のガリレオシリーズの書評は、以下のリンクからお読みいただけます。

 

tekaten.hatenablog.jp

tekaten.hatenablog.jp

 

今回のトピックはこちら!

 

 

 「容疑者Xの献身」の主な登場人物

湯川学

帝都大学物理学助教授の天才で、ガリレオと呼ばれている。

今作で登場する石神とは同じ大学の友人であり、互いに天才と称された仲である。

シリーズではメインキャラクターとして活躍するが、今作では主人公の立ち位置で物語を進めていく。

 

草薙俊平

湯川とは大学時代の友人である、警視庁捜査一課のエリート刑事。

湯川とともに今作でも事件解決に向けて捜査を進める。

 

石神哲哉

湯川と大学時代の友人で、数学をやらせると天才的な才能を見せる。

高校で数学を始動する傍らで、数学界のトップレベルの難題を日夜解き明かそうと努力を続ける数学の研究者でもある。

花岡靖子と同じアパートで、部屋は隣同士。

密かに靖子へ想いを寄せる。

 

花岡靖子

元ホステスで、現在はお弁当屋につとめるシングルマザー。

石神と同じアパートので、隣の部屋に住んでいるため顔見知りではある。

富樫を元夫としており、現在も富樫の接触に悩まされている。

 

富樫慎二 

元サラリーマンで、靖子の元夫。

会社のお金を使い込んだことで懲戒解雇になり、以後凶暴な本性を見せ始める。

執拗に靖子へ接触しようとしている。

 

容疑者Xの献身」ってどんな作品?

 

容疑者Xの献身は、本格ミステリーとしてその名を挙げ、2005年の本格ミステリーベスト10にて1位にランクインした名作。

内容は、これまでのシリーズでは湯川が科学的に、草薙が刑事的に事件を追いかけ、よく練られたトリックを暴いて事件解決に導くという王道の道筋があった中で、

この容疑者Xの献身だけが最初から犯人がわかっている状態からスタートするという珍しい設定になっています。

湯川や草薙は犯人を知ってはいないが、読者は最初のシーンで犯人がわかるように描かれています。

 

犯人がわかっていて、トリックも明かされていながらも、物語ではそれをいかにして暴いていくかの流れが読んでいけるということです。

湯川と石神の知的なバトルも読み応えがあるし、いろいろとちりばめられた伏線によって、読者も惑わし欺くように描かれているので素晴らしい作品です。

 

ガリレオ「湯川」と対等に戦う石神が物語を最高潮に盛り上げる

 

容疑者Xの献身の面白さは、何と言っても

「湯川と石神の戦い」

です。

言い換えるなら、

「天才と天才の戦い」

ですね。頭いいわー!と感心してしまうほど。 

 

どちらも天才的な発想をするからこそ、ちょっとした素振りや会話などを聞き逃すことなく、真相に近づくヒントを拾い上げていこうとします。

こういう行動をすれば、相手はこういう風に思うだろう。

そして、その裏をかいてこうしておいた方がベターだろうか。

いや、むしろ前提から覆してしまえば・・・みたいな議論ですね(笑)

 

なんでそんなことが思いつくんだろう・・・と、ただただ感心させられるばかりでした。

天才2人の思考と、そのトリックや物語の中で徐々に進行していくロジックなど、すべてを東野圭吾という一人の人間が考えて組み立てていると思うと、すごすぎて言葉になりません。

やっぱり、日本を代表する作家はレベルが違いますね!

 

最初に犯人を明かしておきながら、推理要素満載の本格ミステリ

 

容疑者Xの献身で、特に面白いと感じたのは前述した天才と天才の戦いでしたが、設定にも工夫がなされていました。

それが、「最初から犯人を明かす」という、ミステリーではなかなか無いストーリー展開です。

ミステリーの醍醐味は、推理する主人公と共に伏線を回収して、トリックの解決に近づいて行く流れです。

最初に犯人とトリックの概要を明かすことによって、その前提は崩れてしまうわけですが、それなのにおもしろい。

普段と違った展開に、戸惑いつつ、といった感じですね。

これが斬新で、犯人がわかっているからこそ会話やその後の動き方などが違う意味で気になり、面白さが増すんですね。

 

このように、王道とは少し違ったミステリーであっても、楽しめるんだなーということがわかりました。

これはありです。

 

終わりに

 

ガリレオシリーズで初の長編作品となった容疑者Xの献身

短編でも色々な事件とトリックを楽しめる利点はありましたが、長編では長編ならではの面白さがありましたね。

長編でなければ書けない巧みなトリックと心理戦、そして伏線を少しずつ回収しながら読者をもあざむく文章。

これはまさに長編作品ならではでしょう。

 

本日も、てかてんの書斎にお越しいただきありがとうございました!

 

 

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