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【書評】「ガリレオの苦悩」(東野圭吾)内海薫の登場で面白さが増すガリレオ

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 ガリレオの苦悩 (文春文庫)

 

 「ガリレオの苦悩」

東野 圭吾 著 読了。

 

ガリレオシリーズ第4弾。

今回は5つの短編が収録された短編集となっており、1つの作品ごとに事件の発生〜解決までが描かれています。

まさに、テンポよくミステリーの世界を楽しみたい方にオススメできる一冊ですね。

また、今作「ガリレオの苦悩」から女性捜査官「内海薫」が登場する。

テレビドラマシリーズ「ガリレオ」でもメインキャラクターとして活躍した内海が小説で初めて登場する作品です。

 

これまで草薙と湯川の2人がメインで活躍した作品でしたが、3名体制になることでより面白い化学反応を起こします。

キャラクターのバランスや変化も、長く続く作品には重要な要素ですね。

 

 

過去のガリレオシリーズの書評は、以下のリンクからお読みいただけます。

 

tekaten.hatenablog.jp 

tekaten.hatenablog.jp
tekaten.hatenablog.jp

 

今回のトピックはこちら!

 

 

ガリレオの苦悩」の主な登場人物

 

草薙 俊介

警視庁捜査一課のエリート刑事。

ガリレオこと、湯川学とは大学の同級生であり、捜査協力者でもある。

捜査一課に後輩が入ってきて、仕事のスタイルが少し変わり始める。

 

湯川 学

ガリレオこと、帝都大学の物理学者准教授である天才博士。

圧倒的な知性と鋭い洞察力で、科学的知見から導く事件の真相解明力は、警視庁捜査一課のお墨付き。

捜査一課の上司も認めている正式な捜査協力者として、これまでも数々の事件を科学的に解明してきた。

 

内海 薫

警視庁捜査一課の新人女性刑事。

草薙の後輩として、殺人事件の捜査を担当する。

ガリレオシリーズでは、今作からメインキャラクターの仲間入りを果たし、草薙や湯川と共に複雑な事件の捜査を進めていくことになる。

知的で刑事力も高いが、クールで無愛想な印象を受ける。

 

 

ガリレオの苦悩」の5つの収録作品

 

ガリレオの苦悩」は5つの短編が収録された短編集となっております。

1冊で5つの作品、5つの事件の展望が読めるので、展開も早くとても楽しみやすい仕上がりになっています。

まずは、この5つの作品を1つずつご紹介していきます。

ネタバレにならないレベルのあらすじを心がけるので、ご容赦ください。

 

落下る(おちる)

マンションから女性が転落して亡くなるという事件が発生した。

遺体は頭を殴られた形跡もあることから、他殺の線で捜査が進められ、警視庁捜査一課に業務が委ねられることとなった。

新人刑事の「内海薫」は草薙とともに現場のマンションに捜査に行くのだが、女性ならではの視点で1人の容疑者に睨みをつけた。

多くの捜査官とは異なった意見であったため、草薙に相談の上、ガリレオ先生こと「湯川学」に捜査協力を依頼する。

 

新たなメインキャラクター3名が、初めて顔を合わせて捜査をスタートする物語となる。

 

操縦る(あやつる)

かつては「メタルの魔術師」と呼ばれた帝都大学の元教授。

久しぶりに帝都大学の元教え子を集めて、田舎にある巨大な別荘でお酒を飲みながら楽しいひと時を過ごしていた。

突如、離れの建物が燃え始め、瞬く間に全焼した。

焼け跡からはメタルの魔術師の息子が発見されるが、火傷以外に外傷が見られ「殺人事件」として警視庁捜査一課の担当となる。

現場に駆けつけた草薙たちは、すでに現場にいた「湯川」に驚くが、それもそのはず。

湯川はメタルの魔術師の教え子として、プライベートでの参加だった。

 

果たして、事件の真相やいかに。

 

密室る(とじる) 

ペンションを経営する友人:藤村 から連絡を受け、ペンションに訪れた湯川。

そこでは、宿泊客が崖から転落する事故が発生したことがあったらしく、その時の状況が非常に不可解だったという話を持ちかけられた。

亡くなった客の部屋は密室状態。

部屋は内側からチェーンがかけられており、外につながる窓には開いた形跡がない。

その状態で、外に出て行っている客が転落死しているのだ。

 

探偵のようにペンション内や周囲を捜査する湯川。

最終的には1つの結論にたどり着いたようだ。

 

指標す(しめす)

ある街の老女が殺害され、自宅から金が盗まれるという強盗事件が発生した。

無くなったのは金だけでなく、自宅の入り口で飼っていたはずの犬もいなくなっていた。

事件当日に老女を訪ねたある女性に疑いがかけられ、内海は周辺調査を始めと、その女性の娘が不可解な行動を始めたので尾行することに。

尾行して行った先では、とんでもないものを見つけてしまうのだった。

 

このような謎多き事件でも、科学の力で解決に導くのが湯川の能力である。

内海は、期待を込めて湯川の元へ相談に行くことにした。

 

撹乱す(みだす)

警視庁の元に「悪魔の手」と名乗る人物から手紙が届いた。

自分は自由自在に人を殺すことができる。そして、これは湯川学への挑戦状だ。というものだ。

手紙は警視庁だけでなく、湯川本人にも送られていたようだ。

そしてこの手紙を皮切りに、不可解な殺人事件が発生し始める。

 

打つ手がないほどに手がかりをつかめない警視庁捜査一課。

そんな中、湯川の天才的な思考と内海の執念が少しずつ形を作り始める・・・

 

 

新キャラクター「内海薫」の登場で変化を見せる物語

 

この作品から、ガリレオシリーズのメインキャラクターとして「内海薫」という女性刑事が登場するようになります。

草薙の後輩刑事であり、知的かつクールな女性です。

ガリレオこと湯川学とも良好な関係を築くことができたようで、ここからは3人で力を合わせながら難解な事件に挑戦していくことに。

これまで草薙と湯川の2人だけで進行していた物語が、1人加わるだけで違ったおもしろさをみせてくれます。

これは、「ガリレオの苦悩」以降のガリレオシリーズを読んでいただければ実感してもらえると思いますね。

 

メインキャラクターに1人追加するというのは、おもしろさを増すという意味もありますが、ある意味チャレンジです。

キャラクターを追加することで、内容のイメージや作品のイメージそのものを変えてしまい、ファンにとっておもしろくないと感じさせてしまうケースもありますからね。

てかてんとしては、ガリレオシリーズに「内海薫」が登場したのは成功だと感じていて、どちらかというと草薙-湯川ペアよりも、内海-湯川ペアの方が面白く感じています。

 

みなさんはどのように感じたでしょうか?

 

終わりに

 

これまでのシリーズ作品でも、短編集や300ページを越える長編の事件など、様々な事件を解決してきました。

その中で、草薙と湯川のタッグはブレず、常に2人で事件の解明に務めてきたのです。

しかしここで、その2人に加わる形で「内海薫」か登場。

3人になってさらに強い化学反応が起き、ガリレオシリーズがより面白くなってきました。

シリーズのイメージを崩さず、より引き立てる良いキャラクターですね。

今後の活躍か楽しみです。

 

本日も、てかてんの書斎にお越しいただきありがとうございました!

 

 

ガリレオの苦悩 (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋 (2011-10-07)
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